ホテルローヤル

試写にて。原作(すみません未読です)は両親がラブホテル経営者つまりラブホが実家だったという作家・桜木紫乃の同名小説、というのがひときわ物語の説得力と昭和的ノスタルジーをかきたてる人間ドラマ。ラブホが舞台の映画というと近年では「さよなら歌舞伎町」(14)が印象的でしたが本作は原作者を投影したヒロイン(波瑠)をめぐるほろ苦さと親密さのあいまった人間ドラマであるとともに実はホテルそのものが主人公と思えるホテル映画でした。今どきの人にはたぶんぴんとこないであろう柄オン柄というか装飾オン装飾を過剰ぎみにこらした内装がラブホだからというより当時は喫茶店でもなんなら個人宅でも洋館しつらえのところはそんな感じだったなと、ちょっと遠い目。。過去と現在が時折交差する物語は個々のエピソードがゆるやかにつながっていて、中でも自分としては伊藤沙莉(17歳の女子高生役!いつどんな作品で見ても彼女はすばらしい)の登場するパートがしみました。それと、舞台は原作者の故郷である釧路。もう何十年も行ってない釧路、また行きたいな。。

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