バナナパラダイス

こと原題「香蕉天堂」。昨日試写にて。国共内戦後、バナナ天国と聞いて希望を胸に新天地へ逃れてきた元国民党兵士2人の数奇な人生を台湾近現代史の大きな流れの中で描く人情悲喜劇。「台湾巨匠傑作選2020」(4月18日〜6月12日)でデジタルリマスター版にて本邦劇場初公開となる王童監督の89年の名作で、昔映画祭で観た気がするんですが記憶力がわるすぎなのかひょっとすると観のがしていたのか(とほほ)、おおおこういう作品だったか!と感慨もひとしお。そして、張世演じる目はしの利くアニキ分と紐承澤演じるどじでまぬけな弟分の関係性の面白さ、それぞれ苦労しながらもどうにかこうにか生きていく人間力に、本当に王童監督はやさしい人だなあとしみじみ。張世と紐承澤は早い時期にも「風櫃の少年」(83)で共演したニューシネマの申し子でその後も順調に活動しベテラン俳優、さらに監督にもなりましたが、豆子が不祥事で映画界から姿を決してしまった今観るとちょっと複雑な心境にも。。

なお、コロナの影響で今後どうなるかはわかりませんが昨日の時点では特集上映は予定どおり開催とのことでした。  →追記:残念ながら、開催が9月に延期となったそうです。