漂うがごとく

先日試写にて観賞。昨年末のベトナム映画祭で上映され、あらためて劇場公開が決まった2009年作品。ハノイを舞台に、ある新婚夫婦とその周辺の人々のアンバランスな関係性を描くアートムービー。マザコン気味のタクシー運転手、年下の夫への愛情と物足りなさの間で揺れ動く妻、その親友(であるはず)の女性作家の毒を含んだそそのかしや、危険な魅力を持つ男、などなど登場人物それぞれの日常性と非日常性が交錯する不穏で隠微なニュアンスがなんだか気づいたらけっこう飲んじゃってたみたいな酩酊感とタイトルさながらの浮遊感をもたらす、どこか残酷さをはらみながらそれ以上に強靭な美しさを持つ作品でした。ヒロインをまどわすジョニー・グエン(アクションなし!)の女衒的なエロさにクラクラ。

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