「マダム」「春夢」

中国インディペンデント映画祭にて観賞。すでにはじまっている映画祭ですが、昨日まで有楽町、今日から渋谷に出没開始な自分的には初日でした。前者は、素顔のときは裁縫師で女装のときはクラブのシンガーであるゲイの主人公が語って語って語りたおすモノクロのドキュメンタリー。語りだけでなく彼の歌唱力も、そしてまたステージで彼のアドリブ混じりの歌にぴたりと寄り添うようなピアノ奏者の息の合い方もインパクト大でした。後者は何不自由なく暮らす若い主婦が夢の中で運命的な男と肉体関係を結びその快楽から逃れられなくなる、ホラー版ロマンポルノ的な物語。パンフレットを読むと監督自身の経験がもとになっているそうで、だからなのか不思議なリアリティを帯び、悪霊祓いの道士など呪術系の人々が登場するのも中国映画としては珍しいというか新鮮というか興味深いものがあり、もしこの作品がハリウッドでリメイクされても驚かないくらいフィクションとしても見ごたえがありました。