配信最終日の昨日すべりこみでJAIHOにて。間に合ってよかった(もっと余裕をもって見ればいいのに>自分)。ブリュノ・デュモン監督の14年の作品「プティ・カンカン」(205分)と同じく全4話のTVシリーズを1本につないだ続編(今回は217分)で、ユーモアとペーソスとシュールさをさらにぶっとんだSF的レベルで展開する、次々に人が不条理な死に方をした前作と対照的に今回は人間でないモノが次々に不思議な生まれ方をする物語。テーマはアポカリプス(のはず)なのだけれど何がどうアポカリプスなのかよくわからない、前回と同じ素人ばかりのキャストが演じる主要登場人物たちのユニークな風体とヘンテコな行動様式(主人公のカンカンが4年でかなり成長しているのがうれしい)がいつまで見ていても飽きない面白さで、ゆるゆると進むストーリーの果てにはっと息をのむマジック・リアリズム的エンディングがあらわれて思わず泣きそうに。。なんだかすごいものを見せてもらいました。JAIHOさんありがとう。
スティール・レイン
オンライン試写にて。17年の「鋼鉄の雨」と同じくヤン・ウソク監督作で、チョン・ウソン、クァク・ドウォンも引き続き登板と知ったときは「えっ、前作で(以下略)」とびっくりしたんですが大丈夫でした、別の物語でした。12月公開につき詳しくは書かずにおきますが宣伝の方によれば「いろいろすごい」とのことだったので十分そのつもりで見まして、しょっぱなニッポンの極右団体・大和財団が「竹島 影武者」計画を進めているという「うわっやっば!」な導入でどんびきしかけたもののそこからさらに「いろいろすごい」ことになるので逆に安心?して楽しめました。説明にならないくらいざっくりいうと韓国大統領と北の将軍様がまさかのイケメンぞろいで米大統領がまじうざい、一寸先も闇なスリリングな潜水艦映画。百パー娯楽映画でありつつ韓国ならではの当事者性とメッセージ性もがっつり伝わってくる力作。
公式サイトはこれからのようです。(もしすでにあったらすみません)
唐人街探偵 NEW YORK MISSION
オンライン試写にて。陳思誠監督の大ヒットシリーズ「唐人街探案」第2弾。本邦では東京を舞台にした第3弾の「唐人街探偵 東京MISSION」がまず公開されて話題を呼び、これならという手応えがあったか前作もめでたく公開が決定。東京編はもちろんめっちゃめちゃ面白くて大好きなんですが渋谷交差点のセットのすごさとか随所でモブキャラが画面を埋め尽くす人海戦術のすごさとかいろいろなんか和定食と中華定食を平らげてからデザートバーもいきました的な満腹感だったのに対し表題作はNYを舞台にこれまたあっぱれな製作規模ながら東京編よりはそれでもしゅっとした作りとお正月映画らしい華やかな祝祭感。この勢いでタイが舞台のパート1も公開を期待していいですか。
公式サイトはこちら。