戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン

こと原題「WINE and WAR」。先日試写にて。ワイン好き(ただしうんちくを語れるほどの知識はない単なる呑むリエ)としてはタイトルだけでも大いに興味をひかれ、実際見てびっくりのドキュメンタリーでした。ワイン発祥の地というとジョージアグルジア)というのが一般的?な認識だと思ってましたが、本作によればレバノンも世界最古のワイン産地の1つで、紀元前2500年のワイナリー遺跡が発見されているそう。古くはフェニキア人が居住する交易の地として栄えた現レバノンで1943年にシリアから独立したのちの1975年〜1990年の内戦や1982年以降2度にわたるイスラエルレバノン侵攻といった暗黒時代を乗り越えてきた気概と情熱を持つワインメーカーたちへの驚きや感嘆もさりながら「何が彼らをそうさせたか」という問いにこたえる作りになっている本作は、命の危険を承知しながらも思いがけないほど悲壮感を感じさせずむしろ前向きなワインの伝道師たちの心ばえが印象的。中東の小さな国レバノンについては政情不安とかレバノン料理屋さんのファラフェルが美味しかったなとかいう程度の超初心者だったので、ワインへの興味を通じてレバノンという国を多少なりとも掘り下げて知ることができたのもありがたしでした。

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