パシフィクション

TIFFにて。本映画祭、今年のマイスケジュールはご贔屓のブノワ・マジメル主演作で〆ました。仏領タヒチを舞台に、かつてこの地に甚大な被害をもたらした核実験が再び行われるらしいという噂を耳にしたフランス人高等弁務官が真相をさぐっていく物語は、例によって何も知らずに見たので時にクエスチョンマークが脳内をかけめぐったのですが前もって何か知っていても同じだったかもしれない、それでも3時間近い尺のたえまない緊張感と静かな不穏さにからめとられ、さらにはそれが高じて一種の陶酔感となり、エンディングに至っては「え? は? ななな?」みたいな置き去り感というか敗北感をおぼえつつもそれゆえにか深い余韻があとをひくただならぬ作品、だった気がします。。