木樵

オンライン試写にて。岐阜県飛騨地方で、代々木樵(きこり)の家系であるベテラン兄弟を中心にその若い弟子たちや山の仲間、家族の日常を、自らも木樵だった父を持ち長年東京で映像界に身を置いたのち再び故郷で林業に向き合った宮崎政記監督が1年にわたってとらえたドキュメンタリー。伝統的かつ経験に裏打ちされた地に足のついた仕事ぶりと責任感、一方で材木価格が往年の4分の1にしかならないという状況の中、山を護る存在としての木樵の「今」を垣間見ることのできる、あえて(なのか)淡々と、訥々とした映像記録に、これだけで何かをわかったつもりにならないで、でも感じたままに心にとどめてほしいという思いが伝わってくる作りが印象的でした。そういえば木樵のドキュメンタリーを以前にも自分は見ているなあと于広義監督の「最後の木こりたち」を思い出し、あとから調べたら07年の作品だったのでもうそんなに前のことだったのかと遠い目になったりも。

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