リコリス・ピザ

劇場にて。70年代、ハリウッド近郊の町で15歳の少年が25歳の女性に一目惚れし速攻でデートに誘うところから始まる、子役としてショービジネスの世界を知るいわゆるマセガキと厳格なユダヤ家庭に育ち外のキラキラした世界に憧れるヒロインの、恋というにはギャップが大きいつかず離れずの関係を描くノスタルジーと疾走感はじける青春映画。嬉しいとき人恋しいとき困ったとき、二人して、あるいはひとりで彼らはとにかく走る走る走る。走ることイコール全力で生きている、その若さ、まぶしさといったら。主演はいずれも新人、とはいえ一般人というわけでもなく、ポール・トーマス・アンダーソン監督作品の常連だったフィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンとアラナ・ハイム(初めて知った名前ですがハイムという三姉妹によるロックバンドの一員だそうで、映画に登場する彼女の家族がなんか似てると思ったら実際に家族ぐるみで出演していたもよう)。等身大の魅力あふれる二人を筆頭にショーン・ペンブラッドリー・クーパーら客演のスターたちも実に楽しそうで、例によって前知識をほとんど入れずに見て十分ぐっときましたがあとからこちらの解説とかで復習したら感慨もひとしおでした。

ちなみにリコリスというのは甘草の一種で漢方っぽい味がするようですが自分はたぶん一度も口にしたことがありません。そしてまた、映画にピザは出てきません。タイトルの意味あいは先の解説サイト等に書かれています。

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