ミッドナイト・ファミリー

劇場にて。新年早々(でもないか)遭遇した、誤解をおそれずにいえばとてつもなくエキサイティングなドキュメンタリー。実のところエキサイティングなどと言ったら顰蹙ものなんですが、正規の救急車数が少なすぎるメキシコシティで闇ビジネスとして定着したもぐりの救急隊の日々に肉薄した人間ドラマは、なんだこれはマンガですかディストピア小説ですかというくらいゆがんだ現実と、もぐりとはいえ人命救助にあたっては全力を尽くし、事故の一報が入るやよっしゃーとばかりにライバル業者(同じくもぐり)とのカーチェイスもこみで事故現場に駆けつけ、なんとか病院まで搬送したはいいが金を払ってくれない当人や家族に頭をかかえたり賄賂めあての汚職警察の妨害に悩まされたりしつつ、助かった命や助からなかった命と日夜向き合いながら糊口をしのぐファミリーの姿から一秒たりとも目が離せませんでした。

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