セノーテ

劇場にて。いつどこで目にしたのだったかこれはすごいという記事かなにかを見て以来気になりつつも観そびれていた、タル・ベーラ監督の弟子(筋というか)小田香監督作品。例によってあまり前知識なく観たもので冒頭からなにかしら不穏な光と闇と異音がゆらぐ水中の夢幻的映像にもしかして臨死体験というのはこんな感じなのだろうかとちょっと身構えてしまいそうになりつついつしかその過去の記憶と歴史と祈りと呪いが一体になって堆積したような異界感や神聖性にひきこまれて時間を忘れて見入ってしまいました。俗っぽい言い方をすればスピルチュアルだけれど今ふうのパワースポット的感覚を超越したマヤ文明以来幾多のいけにえや行方不明者の霊を鎮めてきた(あるいは鎮めではなく吸収してきた)神秘にして永遠の泉の記録の一片。

公式サイトはこちら