精神0

月額視聴料をほぼほぼ払いっぱなしであまり観ていなかったのを取り戻す勢いでネトフリやアマプラを利用中の昨今ですが、今回はミニシアター系の新作・準新作をオンラインで上映(現在10本)中の仮設の映画館にて。1本あたりの料金1800円が劇場・配給会社・作り手に分配されて経営の応援になるというのはすこぶるシンプルでグッドアイデア。全国から賛同・参加劇場が集まっており、自分は東京住まいながらせっかくなんで地元グンマーの映画館シネマテークたかさき(ネット上の)で鑑賞しました。

表題作は、名作ドキュメンタリー「精神」(08)の主人公の一人・山本昌知医師に相田和弘監督が10年後に再び密着し〝観察〟した続編。臨床の現場を離れることを決めた82歳の山本先生の話、という前知識のみで観たのですがこれが正解、というのもちょっとへんだけど前作は山本先生とその患者さんたちの姿をじっくり追っていたのに対し今回は中盤からカメラは山本先生と芳子夫人に向けられ、先生に診てもらえなくなったら自分はどうすればと不安そうな患者さんたちとの別れを惜しみつつなぜ先生が引退を決意されたのか、ああそういうことだったのかと、、しみじみ胸うたれました(TT)。

ちなみに相田作品は毎回なにげにネコ映画でもあるんですが今回はネコ少なめ。その代わり(?)観察に徹することをむねとする監督がいろんななりゆきで登場人物の一人(顔は出ないけど)となっている、被写体の人たちとの信頼関係にもぐっときました。先生にこんな話をしたらだめだけどと言いながらどんどんしゃべってしまう芳子さんの親友のご婦人もGJ。