天才作家の妻 ー40年目の真実ー

劇場にて鑑賞。平日昼間だからかあるいは物語の内容的にか場内シニア率かなり高め。ノーベル賞受賞作家とその糟糠の妻という設定自体は遠い世界のような話でありつつ一般の中高年世代にとっても胸にグサグサかチクチクかザワザワかとにかく映画の細部から全体に及んでいく不穏さがじわりと侵食してくるタイプの老年夫婦の物語は、有名作家である夫の素顔の幼稚さと俗っぽさを慈母のごとく受けとめフォローし続けてきた賢妻の寛大さの裏のひずみがなんとも複雑で味わい深く、グレン・クローズがオスカーの呼び声の高いのもうなずける好演(いつの間にかこんな貫禄あるおばあちゃんになって…)で方向性としては近年怖いもの無しの名演が続くシャーロット・ランプリングを思わせるインパクトでした。その若い頃の役を演じているのが実の娘であるアニー・スターク、というのは映画を見た後で知ってびっくり。自分としては久しぶりのクリスチャン・スレーターが重要なキャラで主人公にからんでくるのも嬉しかった。

公式サイトはこちら