孤独の暗殺者/スナイパー

カリコレ2015にて鑑賞。
夫婦の危機や借金や親の介護でいっぱいいっぱいの会社員ヴァンサンにとって、唯一何もかも忘れて打ち込めるのは射撃競技だった。あるとき、失意のどん底にあった彼に射撃場で親しくなった男が大金を稼げる話を持ちかける…。ヴァンサン役のレダ・カテブが、目下公開中の「涙するまで生きる」のうなだれたアラブ人役とはうってかわって本作では銃をかまえて精神集中する姿がぞくっとするほどクール。キマジメな男が内なる暴力性に目覚めていくにつれ、「このままじゃやばいし。このままじゃ絶対すまされないし」と全編これ緊張感でした。
で、上映後のトークショーで知ったのですが本日がこの映画のなんとワールドプレミア。配給会社の人の話によれば3月に本国のフランスで公開予定だったのがシャルリ・エヴド事件の影響で6月に延期になり(狙撃者の話ですからね…)、それに先駆けて日本でというわけにいかない可能性もあったのが先方からOKが出て予定どおり今回の上映とあいなったのだそうです。