昨日劇場にて。「夏をゆく人々」「幸福なラザロ」のアリーチェ・ロルヴァケル監督によるイタリア語映画で主演は英国人俳優のジョシュ・オコナー、という組み合わせというよりめぐりあわせの、まさしくたまもの。毎度のことながらまずは映画を見てそのあと作品解説を読んだので映画を見ている間はほぼ感覚的に受けとめていて、それはそれで胸にせまるものがあり、とはいえやっぱり解説を読むのも大事だなと。当然ながら作品の解像度が数段上がり、80年代のトスカーナ地方を舞台に遺跡が埋もれた場所をさぐりあてられる特技を活かして墓泥棒の一味となっているイギリス生まれの元考古学者の魂の彷徨を描く物語の「幸福なラザロ」とも通じる哀感と多幸感を共にたたえたマジック・リアリズム的魅力にあらためて余韻にひたった次第です。
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