サタデー・フィクション

原題「蘭心大劇院」。オンライン試写にて。第二次大戦前夜の魔都上海を舞台に欧米・日本・中国のスパイ合戦を描く、婁燁監督による19 年作品。ようやくニッポン公開のはこびとなり嬉しい限りです。スパイものだけに誰が誰の実は敵なのか味方なのかというスリル感に加え劇中劇というか劇中劇中劇とも思える入れ子式の作りにうっかりすると置いていかれそうになりつつ全集中の呼吸でひきこまれ、最後の最後になんですと!?と困惑しつつも後から嗚呼もしかするとこういうことだったかとじわじわ反芻せずにはおかない濃厚な文学的作品。モノクロ映像の陰影も鞏俐・趙又廷 ・王傳君・オダギリジョー・中島歩ほかキャストの造型およびインパクトも上々で、とりわけいつもながら鞏俐が圧巻かつ絶品でした。

11月公開。公式サイトはこれから(?)のようです。