ランガスタラム

日劇場にて。公式サイトによれば今や国際的スターのラーム・チャラン自身が「役者人生の転換点」と語る伝説の名作だそうで「RRR」より早い18年作品。「RRR」の大ヒットのおかげで公開されてありがたいことです。1980 年代、独裁者的村長の支配下で農民たちが搾取され続けてきた小さい村ランガスタラムを舞台に、能天気で直情径行でしばしばトラブルを起こす聴覚障害者の主人公チッティと、長年対抗馬の出なかった村長選に立候補を決めたインテリの兄を中心とする愛と正義と復讐の物語は、「K.G.F」とちがって予習なしで見ましたがそれが功を奏してか、こういう話だったのか!!と、コメディ寄りな前半からぐいぐいヘビーになっていく後半の展開にびっくり、かつ終盤のカタルシスに胸アツ。耳がよく聞こえないチッティのハンディキャップが時に喜劇性、時に悲劇性をともないつついろんな伏線になって後から回収されていく作りは、あらけずりながらも、いや、だからこそかハラにひびくものあり。ラーム・チャランの自信作なのも納得です。

以下余談。「難聴」という字幕は3〜40年前くらいまでなら「つ○ぼ」だったろうと思うのですが今の時代にはアウトなので思いっきり侮蔑的なシチュエーションでも「難聴野郎」とか微妙にていねいなスラングになってるのはなんとなく関係者の苦労がしのばれてしまいました。