マゴーネ 土田康彦「運命の交差点」についての研究

オンライン試写にて。マゴーネ(Magone)とは、「夕日を見る時の胸を締めつけられるような感覚」をあらわす北イタリアの言葉なのだそう。ヴェネチアにスタジオを持つヴェネチアンガラス作家にして調理師や作家などジャンルを横断するアーティストである土田康彦は、それを「袖触り合うも多生の縁」と超訳。実際、彼の多彩で多才な創作活動は偶然とも必然ともいえる縁によってごく自然に広がりと深みを増し、そんな彼を8年にわたり追ってきた田邊アツシ監督もまたその一人であることがうかがわれる、どこか悠久でスピリチュアルな感覚を内包したドキュメンタリー。食いしん坊な自分としては、スタジオのキッチンで土田氏が友人のために調理するシーンが出てくるたびにそのシンプルで美味しそうな料理とテーブルに置かれたワインたち、自作とおぼしきガラス製の皿やグラスの並びが一幅の絵画のようでうっとりでした。

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