NOPE ノープ

劇場にて。公開の8月26日以降ねたばれを踏まないように注意してどうにか予告編以外の前情報はほぼ入れずに見られてよかった。いやもう期待以上の、何がどう転んでいくか予測不能の面白さで、SFからミステリー、スリラー、アクション、サバイバル、西部劇テイストまで盛り盛りなのに胃もたれしないユニークな作劇と演出に脱帽。ジョーダン・ピール監督作品は「ゲット・アウト」で刮目し「アス」は自分としては今いちぴんとこなかったんですが(すみません)本作はこれまで見た中で一番好きかも。

以下盛大なねたばれを含みますので念のため反転しますが、冒頭なにやらチンパンジーがらみの不穏すぎるエピソードで始まるもそれが何を意味するのかわからないまま(あとからその詳細が回顧されますが直接本筋にからんでくるわけではなく、そのにおわせ方にかえって惹かれるという具合)舞台は現代に転じて牧場で不幸な事故が起こり、やがてそれが事故でなく未知の飛行物体のせいだと分かってきてからのビジュアルや音響の迫力のすばらしさ。その飛行物体が実は宇宙船ではなく捕食生命体だったためおそろしいことになり、あんなのに襲われたらゼッテー無理!(ノープ)な恐怖にかられまくる主人公たち、からの「あいつをうまく映像におさめられたら一攫千金だぜ!」とまさかの超ポジティブな方向転換に思わず噴いた。で、そこからアクション映画モードに突入すると「そうか、直視しなければいいのか。ちょっとキョンシー映画みたいだな(キョンシーは直視でなく息をしてはいけない法則ですが)」と断然こちらもテンションが上がり、それからさらに犠牲者を出しながらもぐいぐい突き進んだ果てのエンディングのすがすがしさといったら。。キャストもみんなGJで、ことに自分としては主人公たちに同調して撮影する気まんまんになったハリウッドのカメラマンのしぶいキャラとか、スティーブン・ユアン演じる子役あがりのテーマパーク経営者のちょっといびつなキャラにぐっときました。

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