白い牛のバラッド

日劇場にて。殺人犯として夫が死刑になり、聾唖の幼い娘と2人でひっそりと暮らすミナ。ところが一年後に真犯人が明らかになり、夫が冤罪で死刑になったと知って衝撃を受けたミナは死刑判決をくだした判事を告発しようと決意する。ある日、夫に金を借りていたという男がミナの元を訪れて借金を返済。男はその後もなにくれとミナたちを気づかい、生活の便宜をはかってくれるようになるが。。ミナの夢や幻想の中にあらわれる白い牛、一度は人生に輝きを取り戻したミナが絶望のはてに食卓に置くミルク。あの牛は死刑制度への疑義という現代的テーマにとどまらない、人間の尊厳、女性の尊厳、あるいは原罪のメタファーなのだろうか…? 映画の最後、黒い画面に浮かび上がる「ミナへ」の白い文字が重く深く心身にしみわたりました。

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