グリード ファストファッション帝国の真実

日劇場にて。H&MZARAを足して2で割ったようなファストファッション・ブランドのワンマン社長(ちゃんとモデルがいる)の光と闇をハイテンションに描いたマイケル・ウィンターボトム監督作品。スティーヴ・クーガン演じる生まれつき?強欲な主人公が性格やばすぎてコメディに振り切れつつも製作意図としてはおそらく観客に嫌悪感をもよおさせる気まんまんの確信犯的社会派エンタメ。やばいのは彼だけじゃないのもリアルで、すさまじく安い工賃とひどい労働環境に耐えながら日々縫製にいそしむ労働現場の様子をかつてドキュメンタリーで見て(そのときの発注業者はウォルマートだった)胸の痛む思いがしたんですが、本作くらい露悪的で戯画的なフィクションにすることによってむしろドキュメンタリー以上に「真実」があらわになるのだなと思えました。

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