悪の絵

こと原題「惡之畫」。東京国際映画祭にて。刑務所で絵の指導をする気鋭の画家(東明相)はある青年(黄河)の画才を高く評価し、なじみの画廊主(劉品言)らの協力をとりつけ受刑囚たちの作品や彼らの肖像画を展示する。だがその青年がかつて社会を震撼させた殺人犯だったことから展覧会は遺族をはじめ世間の激しい非難を浴びることに。。。芸術は創り手の人品と切り離したところで普遍的な芸術たりえるのか、作者を知らずに心惹かれた作品に対しその作者が異常者と知ったあとも心惹かれ得るのかというテーマの深さ、これが長編デビュー作である台湾の陳永錤監督の演出の手がたさ(ある意味、お行儀のよさという感じも)が印象的な、かなりの掘り出し物でした。いつしかベテランの風格が身についた東明相、しばらく見ないうちすっかり美魔女系の魅力的な女優になっていた劉品言が嬉しい驚き。