ある画家の数奇な運命

試写にて。ナチス政権下のドイツで統合失調症と診断され毒ガス部屋送りとなった若く美しく芸術家肌の叔母にかわいがられていた少年が、長じて美術学校で出会い恋に落ちた女性と結婚した、その彼女の父親がまさに彼の叔母をかつて毒ガス部屋送りにした医師だった。。。東ドイツ出身の著名な画家ゲルハルト・リヒターの半生がモデルとなっている、タイトルどおり数奇な物語。プレスによれば映画化にあたりリヒター本人とフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督との間に「何が事実か事実でないかは、互いに明かさない」という契約が交わされたそうで、どの部分が事実でどこがそうでないかは詮索はしないでおきます、というか詮索のしようがないのですが、3時間強の時間が必然と思える堂々たる、そして滔々たる、この映画に限らず真実はいずれ必ず明かされるのだと信じたい、魂の芸術映画でした。

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