フォークロア・シリーズ「母の愛」「TATAMI」

先日東京国際映画祭にて。エリック・クー製作総指揮によるオムニバスホラー6本のうちの2本で、インドネシアのジョコ・アンワル監督による「母の愛」は息子を学校にも入れず2人で暮らす母親がとある屋敷の屋根裏に大勢の子供が隠されているのを発見する、親にネグレクトされた子供を誘拐する女のお化けをモチーフにした怪奇映画。インドネシアではよく知られるお化けだそうなので、地元の観客が観るとかなり怖いのかも。自分もちょっとヒエッとなりましたが、怖さレベルでいうと齊藤工監督の「TATAMI」の方がゾワゾワきた。結局ニッポン人なのでやはりニッポンのホラーがビビりのツボに入ってしまうのかな。わらべ歌とか古い日本家屋とかなぜか和室に飾られている能面とか長年のうちにホラー的な印象が刷り込まれて、もはや条件反射でわけもなくコワイというか。。実際田舎の祖父母の家は今でいう古民家で、陰気な感じの部屋がいくつもあったし廊下の果てにぼっとん便所があって子供の頃は夜中に一人でなんかゼッテー行けなかった、その感覚。というわけで道具立てだけでも十分ホラー的でしたが映画的完成度も高かった。北村一輝演じる寡黙な主人公が実は(中略)というのが途中で分かる演出とか、ブラボーでした。

今回の映画祭ではアジアのいろんなホラーが上映され、「TATAMI」は別として総じてあまり怖いと思わなかったけどお国ぶりが出ていてどれも興味深く、楽しめました。他にも何本か感想を書いていない作品がありますが映画祭で観た作品についてはこれにて〆とします。