ファンさん

こと原題「方綉英」。FILMEXにて鑑賞。死期が迫ったおばあさんとそれを見守る家族・親族の姿をとらえた、ワン・ビン作品としてはずいぶん短い尺ながら強い磁場に吸い寄せられそこから抜けられないような感覚にひたる87分のドキュメンタリー。個人的にも親を介護したり看取ったりする年代ゆえいろいろ考えたり思い出されたりする部分が多くて沁みました。。寝たきりのファンさんはアルツハイマーでもはやコミュニケーションがとれなくなってはいるとはいえその周囲でお墓をどうするかとかそろそろダメだろうとかいう会話をみんながふつーにしているのがオイオイと内心でツッコミたくなりつつもなんだか不思議な親密さに満ちていて、誰もが〝その時〟がまもなく彼女に訪れることを知っており、ある意味では静かに待っている、その自然さがなんとも印象的でした。