「日本のいちばん長い日」(67)「ゆきゆきて、神軍」

劇場にて2本立て観賞。
前者は目下同名のリメイク作が公開中ですが、そちらを見る前にこちらを見るチャンスがあって良かった。多くは今は亡き名優たちが演じる登場人物のツラガマエと気構えと理性と忍耐力にほとんどうっとりする一方で本土決戦しか頭にない一部軍人の暴走ぶりがリアルでおそろしく哀れを禁じえない緊迫の157分。普遍的で第一級の娯楽映画でありました。もちろんフィクションたる映画と実際を比べてもしょうがないわけですがひるがえっていまどきの政○家の人品ともに貧相なこと…。後者はこれも個人的には初見の、伝説的ドキュメンタリー。主人公のすさまじい弾丸トークと行動力にいろんな意味で圧倒され続けた122分。前線での悪夢を胸の奥にしまい一般市民として暮らしていた老人たちを訪ねて1人また1人と執拗に問い詰め真実をこじあけていく容赦なさは、手段や方向性は全然ちがうけれど「日本のいちばん長い日」の反逆兵士の硬直した純粋な狂信性と重なって見えたりも。