昔々、アナトリアで

日劇場にて鑑賞。
車のライトが浮かび上がる夜の草原。難航する死体探し。疲労といらだち。眠気と空腹。多弁な村長。ひなにはまれな美しい娘。殺人容疑者の見た幻想。殺された男の飼い犬。不思議な死に方をした女の話をする検事。その死因に興味をひかれる医師。。。
全編どこを切り取っても深遠な構図と陰影に引き込まれずにおかない映像美、ほとんど何も特別なことは起こらないとさえ思えるゆるやかな時間の流れと登場人物たちの絶え間ない会話の中から、その一人ひとりの人生の年輪がいつしか見ているこちらのパーソナルな記憶として刻まれていくかのような親密な感覚。最近遅まきながら出会ったヌリ・ビルゲ・ジェイラン作品の深みにいよいよはまりつつあります。
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