フリーダ・カーロの遺品 

昨日試写にて鑑賞。
原初的な色彩とテーマで一度見たら忘れられないような名画を数多く遺し、美貌と恋愛遍歴と壮絶な闘病歴でも知られるフリーダ・カ―ロ(54年に死去)。夫ディエゴ・リベラ(57年に死去)の遺志にしたがい彼女の遺品は死後50年間バスルームに封印されていたのが、04年に取り出され、14年に現地キュレーターの企画によってそれらを総括的に撮影することに。そのさいカメラマンとして招かれたのが日本の写真家・石内都。以前「ひろしま」というドキュメンタリーを見ていたこともあって、国境を軽々と越えたその人選にすごく納得というか腑に落ちるものがありました。表題作は彼女の撮影現場に密着し、加えて別途2度目のメキシコロケを行った映像で構成。現在は記念館となっているフリーダ・カーロの住んでいた通称ブルーハウスの壁の青、空の青、庭の緑、遺品の衣装や靴の鮮やかなピンクから伝統衣装の色とりどりの原色まですべての色が鮮やかで美しくかつ繊細で、その力強さが一方では生や死や何十年という歳月に思いを致さしめ、しんとした哀しさと一種スピリチュアルな感覚が呼び覚まされるドキュメンタリーでした。
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