この国の空

試写にて鑑賞。
敗色が濃くなった(しかし庶民には正しい戦況が知らされていなかった)昭和20年の東京を舞台に、19歳のヒロインと、妻子を疎開させた隣人のインテリ男との禁断の愛を描く高井有一の同名小説の映画化。セミの声や蚊の羽音、ラジオの音声から漬物をかじる音までさまざまな生活音の繊細さが(無音のシーンも含めて)登場人物の心象風景とシンクロして耳に残る、りんとしてクラシックなたたずまいの文芸映画らしい文芸映画。若き名女優・二階堂ふみたんが今度もまたすばらしい。
終戦(敗戦)70周年の今夏に公開。公式サイトはこちら