涙するまで、生きる

先日、試写にて鑑賞。カミュの短編小説「客」が原案で、プレスによれば結末は変えているとか。自分はカミュの名はよく知っているもののちゃんと読んだ作品はかろうじて1つか2つかという門外漢だったもので映画の背景となるアルジェリア独立戦争についてプレスを読んでいろいろ勉強になりました。フランス人の血を引きアルジェリアで育った主人公(ヴィゴ・モーテンセン)が不本意ながらもアラブ人の犯罪者(レダ・カテブ)の護送に駆り出され過酷な旅路で生死を共にしつつ互いに理解を深めていく、不条理でやるせなくもパワフルで一抹の希望を残すヒューマンドラマ。フランス側かアルジェリア側かの2択を迫られる状況にあって、どちらの事情にも通じいずれにもくみしたくない主人公の葛藤にカミュ自身の苦悩が投影され、普遍的なテーマがひしひしとせまってきます。
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