「唐詩」「唐爺さん」「小荷」

中国インディペンデント映画祭にて観賞。「唐詩」は張律監督のデビュー作で、本文より行間が圧倒的に多い、静かで不思議な時間感覚とシンプルな色づかいが心地よいアート作品。対象的に「唐爺さん」はタイトルにもなっている唐爺さんを筆頭に息子とか義理の息子とか男たちがどいつもこいつも(失礼!)エネルギーの大半を自己主張に費やしているような滑稽といってはこれまた失礼だがとにかくキョウレツなキャラぞろいで、その喧騒の中にあって唐爺さんの娘の唐小雁(「占い師」の豪快な姐さん)がすごくできた人みたいに(実際基本はとてもいい人なんだろうと思う)見えてホッとしてたらどうしてどうしてやるときゃやる(何を?というのは見てのお楽しみに)というこれまた唐家の血の濃さに圧倒されたドキュメンタリー。「小荷」は、なまじ美人で学力もあり“自分を分かってくれない人がみんなバカに見える”系のヒロインが「自分らしく生きたい」と田舎町を飛び出して…というなかなかに皮肉の効いた今ふうの物語。いずれも印象的でしたが本日はなんといっても唐一族の生命力に座布団3枚。爺さんのだめんずな息子のかしこそうな息子(つまり孫)に良き前途あれ。