三姉妹 雲南の子

試写にて観賞。
去年のFILMEXで見損ねてしまった王兵監督の新たなる傑作。いつの時代かと思うほど貧しい雲南省の寒村で、母親は失踪、父親は出稼ぎに行って残された娘たちのひときわ赤貧洗うがごとき、しかしながら驚くほど生命力に満ちた暮らしざまを直近で見守り続けたBGMなしナレーションなしの驚きのドキュメンタリー。終盤はほとんど「ニーチェの馬」をほうふつさせるような荒野と風と土埃と無言の人々の有無を言わせぬ現実感にただただ同一化させられる思い。3時間弱の上映が終わって外に出たらそこは急にあっけらかんと明るい昼間の、夜は愛と欲望と飽食の街(!?)六本木。一瞬、浦島太郎になりかけました。
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