怪奇ヘビ男

本日最終日のTIFFで観た、自分的にも〆の作品。昨日の観賞作も見ごたえありましたがこちらのインパクトがすごかったので熱いうちに…。
DV夫に苦しむ可憐な美人妻がある事情から蛇との間に子を成したことに端を発する悲劇(そういえば夫婦の人間の娘はそのあとどうなったのかしら…)とそこから三世代にわたって繰り広げられる愛と呪いと復讐と因果応報の壮大な怪奇譚。わけても終盤の急展開はハラハラドキドキ、2時間半を超える長尺をしっかり見せ切ってくれて思わず拍手でした。それにしても蛇拳みたいなしぐさとかベタなコメディ部分とか「昔のジャッキー映画か?」と一瞬思ったりしたんですがこちらのほうがもっと早い時期の作品なのでそれはありえず(本作も含めてカンボジアでは60〜70年代が映画の黄金期だったそうです)だとしたら50年代前後からのシンガポールや香港におけるショウブラやキャセイの娯楽作品からの影響かそれともこのノリは昔ながらの東南アジア的な感性なのか、また東南アジア映画史におけるカンボジアのポジションやいかに?とか、すごく興味のわくところでありました。事情により同じカンボジア・クラシックの「天女プー・チュク・ソー」はチケットを買っていたにもかかわらず見られなかったんですが(><)、貴重かつ濃厚な1本を見ることができて感謝&満腹です。