WAVE MAKERS 〜選挙の人々〜

原題「人選之人─造浪者」。Netflixにて去年の4月に配信が始まった全8話の台湾ドラマで、今月13日の台湾総統選投票日までに見なきゃと遅ればせながらほぼかじりつきで鑑賞。台湾の選挙のお祭り的な盛り上がりは映画やTVニュースなどでそこそこ知ってましたが、その選挙の舞台裏を描いた本作は熾烈な情報戦とキャンペーン合戦、敵失を1つも逃さない熱意とマスコミも引き込んでの足の引っ張り合いまで、これが台湾の選挙か!と総統戦の迫力が伝わってくる面白さでした。例によって前知識ゼロで見たので両陣営の攻防を描くのかと思っていたらメインとなるのは与党に立ち向かう野党チームの奮闘で、LGBTsや不倫スキャンダル、セクハラ、家庭内の問題など個々人のドラマの集合体といったおもむきも。謝盈萱、黃健瑋、王淨、戴立忍、陳姸霏ら演技派人気スターの好演に随所でうならされ、セクハラがらみのエピソードにゾワっとさせられ、そして支持政党への応援にせよ敵対政党への怒りにせよ街へ繰り出して声をあげていく一般市民たちの当事者意識と、現総統も野党の総統候補も女性という設定が今のニッポンじゃ考えられなくてうらやましかった。。

ちなみに野党党首役のマニッシュな女優さんがなんだか元タカラヅカという感じでかっこよく、調べてみたら頼佩霞(タミー・ライ)という歌手・女優で、昨年総統選への立候補を表明した郭台銘(鴻海工業の創立者で台湾有数の資産家)が副総統候補に擁立したのがまさにこの頼佩霞女史、という記事を発見してビックリ。ただしその後郭氏は出馬を見送ることにし、現状は与党民進党の頼清徳、野党国民党の侯友宜および民衆党の柯文哲の三強争いのようですが、ドラマ効果というか、頼佩霞女史も今後は本当に政治家を目指すのかもしれないですね。