マイスモールランド

劇場にて。政治的理由で母国を逃れた親とともに長年日本で暮らしてきた17歳の高校生サーリャは教師をめざして勉強とバイトに精を出してきたが、父親が何度も申請してきた難民認定が結局却下され在留資格を失ってしまったことから一家の生活がたちゆかなくなる。。「国を持たない最大の民族」と呼ばれるクルド人の苦難と、サーリャの希望と絶望の交錯する青春を描く鮮烈な社会派作品。劇中、入管に無期限収容となったサーリャの父が支援者の弁護士に対し、夏でも部屋に冷房がないかわりにごはんが冷え切っている、そういう「お・も・て・な・し」を受けているとジェスチャー付きで報告するシーンが胸に刺さって、暗澹たる思い。そういうことをニッポンが、入管が、やっている(あげく病人を放置して死なせたりさえしている)現実に、静かにまっすぐにNOを突きつける映画に、わずかながら希望を感じられたのは大きいハコではなかったものの場内ほぼ満席だったことでした。

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