メイド・イン・バングラデシュ

試写にて。世界の縫製工場と言われるバングラデシュの首都ダッカで、劣悪な職場環境と低賃金、雇用主の搾取に耐えながらファストファッションの縫製に精を出しプータローの夫にかわって家賃のやりくりにも頭を痛める気丈な主人公シムが、女性ジャーナリストとの出会いを通じて労働法について知り、組合を結成すべく行動を起こすが。。。バングラデシュの若手女性監督ルパイヤット・ホセインによる、実話にもとづくエンパワーメント・ヒューマンドラマ。下層階級の女性をがんじがらめにする差別的因習の根深さ、シムと周囲を分断したり恫喝したりあの手この手で組合つぶしに余念がない工場幹部、さらにその工場幹部に値下げ圧力をかけてくる発注元企業の白人たち、お役所仕事の腐敗ぶり等々見ていて血圧あがりまくり見終わったときはおそらく眉間に深くしわが入りつつも、シムの信念と知性、責任感と度胸に胸のうちでガッツポーズをとりました。必見。

ちなみに劇中、シムたちの部屋の大家さん(裕福とはいえないまでも暮らしに困ってはいない様子)の家のTVでかかっているのがSLK主演のボリウッド映画(どの作品だったかしら)で、その別世界感が浮き彫りになるという皮肉な演出に思わず苦笑。

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