菊とギロチン

先日試写にて観賞。時代は大正末期、軍国主義が蔓延しはじめた関東大震災直後。各地を興業してまわる女相撲の一座とアナキスト集団「ギロチン社」が偶然出会い、運命を切り結ぶ。夫の暴力に耐えかねて家を飛び出し強くなりたい一心で女相撲に打ち込む田舎出身のヒロインと、朝鮮人虐殺の災禍をどうにか逃れて一座に身を寄せた元遊女の美人力士、実在したギロチン社のメンバー中濱鐵と古田大次郎の4人を中心に、それぞれ怒りや悲しみや欲望や理想や妄想を原動力に突き進む者たちのあぶなっかしく大胆で猥雑で刹那的な生きざまにじっくり向き合う濃密な3時間強。主演から助演まで役者たちの熱量がすごかった。合わせ鏡のように呼応しあう、こちらも名作である「朴烈 植民地からのアナキスト」も同じタイミングで公開されたら良いのにな。
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