朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト

先日第13回大阪アジアン映画祭|OAFF2018にて鑑賞。大正時代、日本で社会運動家として活動し詩人でもあった無政府主義者朴烈とその思想に共鳴し実質的な妻となった金子文子が、朝鮮人が井戸に毒を入れたという流言により朝鮮人虐殺が横行した関東大震災の後に検挙され大逆罪に問われた、その裁判の行方を描く、『空と風と星の詩人 尹東柱の生涯』のイ・ジュンイク監督作。虐殺事件の争点外しのため朴烈らを死刑にして事態の収束をはかろうとする内務大臣らのクズぶりに時代が変わっても政府ってのは同じことを繰り返すのだというデジャブ感にむかつきつつも、裁判を逆手にとって一世一代のショーとしていく朴烈と文子の腹のすわりまくったキャラとそれに感化されていく周囲の人々の人間味に引き込まれ壮絶ながら痛快な娯楽作としてたんのうしました。金子文子役の女優さんが日本人だと思い込んでいたら韓国の女優さんでした。感服。