禁じられた歌声

劇場にて鑑賞。舞台はマリ共和国のティンブクトゥ。イスラム過激派が跋扈するようになった街で、歌うことが禁じられ、サッカーが禁じられ、次々に新しい規則が強要され、人里離れた一軒家で平穏に暮らしていた美しい少女とその両親も悲劇にまきこまれていく…。信仰をたてに自らが掟となったジハード戦士たち(劇中、彼らが乗り回す車がTOYOTAなのがちょっとツラい)の強弁と傲慢のさまはこれまでもさまざまな映画の中で見てきて、そのつど一体なんのための宗教であり信仰かと、自分はコーランを読んだこともない門外漢だけれど偉大なるアッラーは神の名のもとに蛮行を正当化する自称“信仰心の篤い”者たちのふるまいを天上から見てはおられないのだろうかと、でもそれは宗教の問題に限らず精神論や愛国心や面子を理由に戦いを始め泥沼化させていく古今東西の状況も同根だと思わずにはいられないのでした。
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