サイの季節

劇場にて鑑賞。
邦題は原題に即したものらしく「サイってなんだろう」と思っていたんですがそのまんま動物のサイのことで実際映画を見て意味が分かったような分からないような。。それはともあれ、時間軸が交錯するのと抽象的・心象風景的なショットが時折さしはさまれるので最初のうち微妙に混乱したものの全体像が見えてくるにつれその過酷さに息がつまるような、人間のサガとしての悪意とそのために踏みにじられた者の悲しみと怒りがこめられた、亡命中のイラン人監督バフマン・ゴバディが実話をもとに撮った慟哭の社会派ドラマ。物語を時系列で描くより大胆ともいえるアート的な作りにしたことでインパクトが倍増しに。若いころも老けメイク(たぶん)でもモニカ・ベルッチの美しさは鉄板でペルシャ語話者であるというのもあっぱれでした。また、この映画とは直接関係ないけれど09年の監督作「ペルシャ猫を誰も知らない」に出ていたミュージシャンたちがNYで殺害されたというニュースのショックを思い出したりも…。
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