雪の轍

劇場にて鑑賞。
3時間16分の長尺(インターバルなし)ながら、どの場面も一切の無駄がなかったとあとからあらためて思えた秀作。登場人物たちの終わりがないかと思うほど大量の会話――しかもしばしば話せば話すほどすれちがい傷つけあっていく――の向こうに見え隠れするエゴやプライドや自己正当化や孤独や人恋しさ、どれほど言葉を尽くしてもむしろ言葉を尽くすほどに分かり合えなくなる徒労感、逆に言葉より行為で誠意を示そうとしてもそれが完全な空振りに終わる絶望感がせめぎあい、それらが寂寞とした風景にシンクロしてひたすら見入っておりました。たまらなくカッパドキアに行きたくなる映画でもありました。
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