イーダ

試写にて鑑賞。
1962年のポーランドを舞台に、戦争孤児として修道院で育った18歳のアンナ(=イーダ)が自分の引き取りを拒んだ叔母の存在を知り、訪ねていったことから、自らのユダヤ人としてのルーツと両親の死の真相に直面する心の旅の物語。モノクロ映像の陰影の深さと静けさ、一方で時として不安になるくらいボリュームの大きなジャズやクラシックの言葉によらない雄弁さ、1つ1つのシーンがイーダの美しくまっすぐな瞳を通して胸の奥まで届いてくるような珠玉の佳品。
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ちなみに以下はネタばれになるので反転しますが、ラスト、叔母の死をきっかけにもろもろの戒律を軽やかに飛び越えて俗世に足を踏み入れたイーダが再び修道院に戻る場面は処女懐胎のメタファーのように思えて余韻もひとしおでありました。(ただし、キリスト教に関してワタクシどしろーとですので全然かんちがいかもしれません^^;)