My Name is Salt

先のHKIFFで鑑賞。インド・グジャラート州で8ケ月にわたり伝統的な製塩作業にいそしむある家族の様子を追った美しく悠久のときを感じさせるドキュメンタリー。乾季のひからびて何にもない砂漠へトラックとバイクでやって来て、小屋を建て、地中からポンプを掘り出し、塩水をくみ上げて塩田を作り、ゆっくりとゆっくりと実にまったくもってゆっくりと純白で極上の天然の塩ができていくまでのほとんど終わりがないかのような日々の労作業がものすごく尊いものに思えてただ見とれておりました。
ニッポンでも紹介されるかもしれないけどされないかもしれないこうした作品に出会えるというのが国際映画祭のだいご味。今回ドキュメンタリーはこの映画とあと顧桃監督の「犴達罕(最後のハンダハン)」を見たのみですが、後日本作がドキュメンタリー部門のコンペでグランプリ、後者が同審査員賞を獲得しはからずも大当たりなチョイスでした。