チロンヌプカムイ イオマンテ

昨日、「ゴールデンカムイ」ブームと連休の相乗効果によるものか満席の劇場にて。なおタイトル中「チロンヌプカムイ」の「プ」は正しくは小文字です。

86年に屈斜路湖をのぞむ美幌峠で75年ぶりに行われた「チロンヌプカムイ イオマンテ(キタキツネの霊送り)」の一部始終をとらえた記録映像に現在の様子も付け加えた、アイヌ文化への関心が高まっている中でタイムリーかつ実に貴重なドキュメンタリー。「カムイ=神」の国から人間界へ皮や肉を与えるために来たとされる動物の1つキタキツネをいつくしみ育てたのちに神の国へ送り返すこの儀式は、いわゆる生贄とは別だけれども屠るという行為そのものは同じで今となってはおそらく継承困難、とはいえアイヌの重要な伝統文化の1つであること自体を否定できるものではまったくなく、心づくしの供物と全身全霊の踊りと最後の祭祀といえるエカシ(老齢の男性)の時おり神道祝詞を思い出させもするろうろうたる祈りの言葉と声調に心ゆさぶられるものがありました。

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