コントラ

先日試写にて。大きな川の流れる田舎町で、死んだ祖父の遺したメモ帳の記述にとりつかれ山林に分け入って宝探しをする女子高生ソラと、妻を早く亡くし娘とうまく意思の疎通をはかれない父親、その父娘二人の生活に闖入してきた後ろ向きに歩き言葉を発しないホームレスの男。時に暴発し傷つけ合う関係性にからめとられた者たちの閉塞感や解脱への希求がモノクロの映像を通してひりひりと伝わってきて、次第にそれが一種の通過儀礼にみえてくる、繊細にして大胆、リアルにしてスピリチュアルな異色の秀作。インド生まれで日本在住のアンシュル・チョウハン監督(脚本も)の長編2作目で、そうと知らずに見たらまちがいなく誰もが日本人監督の作品だと思うであろう肌感覚と洞察力に、なぜここまで知っているのか!?とちょっと鳥肌たちました。

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