はちどり

劇場にて。名作との評判は重々承知しつつそれでなおさら前情報を入れたくなくて雑誌の特集ページもそこだけすっとばして待っていた、キム・ボラ監督の長編デビュー作。両親と兄と姉の5人で集合住宅に住む中学2年生のヒロインの家や学校での居心地のわるさや学外での付き合いの楽しさや孤独や高揚感や怒りや不安やあこがれやあきらめや期待や絶望や。。。すべての揺れ動く感情を時代の空気の中でリリカルにとらえた珠玉の青春未満映画。結果的に何も起こらないような場面でも随所ではらはらしてしまいそれだけ自分もヒロインの不安定さに同調していたようで、映画の肌触り(あくまで肌触り。内容はまったく異なります)としてはちょっと「冬の小鳥」を想起させるものもあり。主人公のウニを演じたパク・ジフ(03年生まれ)が第二のイ・ヨンエかと思うくらい美しく繊細で脳裏に焼きつく存在感でした。

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