リチャード・ジュエル

劇場にて。まもなく90に手が届く御年にしていよいよ湧き出る泉のごとく年々傑作・名作を送り出している(もはや神仙か)C・イーストウッド監督の最新作。無差別爆破事件の現場で多くの人を救った警備員が英雄扱いから一転してFBIに容疑者とされ激しいメディアリンチを受けた実話にもとづく社会派作品。大学の学長やらFBIやら新聞記者といった〝上級国民〟たちからいかにもナメられそうな純粋すぎる主人公と一見キレ者に見えないキレ者弁護士の組み合わせがすこぶるエンタメ向きで、演じるポール・ウォルター・ハウザーとサム・ロックウェルががっつり楽しませてくれる一方、四半世紀前のアメリカの話なのに昨今政府の使いっぱしりに精を出し弱きをくじき強きを助けてはばからない我が国の検察と御用メディアの体たらくがこの映画と重なってため息が出るような同時代感も半端なく。。

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