ベトナムを懐う

ベトナムをおもう、と読みます。先日試写にて観賞。9月1日から横浜シネマ・ジャック&ベティを皮切りに順次開催されるベトナム映画祭2018の上映作品の1つで、息子をたよってベトナムからアメリカへ渡り今は老人ホームで無為な日々を送る主人公とベトナムに帰郷しようとしない息子、突然家にころがりこんできた祖父をもてあますアメリカナイズされた孫娘との葛藤を描く、「レディ・アサシン 美人計」「超人X」の監督であり「サニー 永遠の仲間たち」のリメイク作の監督に予定されてもいるグエン・クアン・ズン(ユン)による、「レディ・アサシン」「超人X」のイメージとは真逆の切なくノスタルジーに満ちたファミリードラマ。原作は戯曲だそうで、青々としたベトナムの田園風景と対照的なNYの冬の厳しさが世代間ギャップや移民の苦悩に重なりつつ、自分を赦せなかった者、あるいは人を赦せなかった者の哀しみを包み込むような時間の流れを感じさせる1本。原題であり劇中で何度も歌われる「Da Co Hoai Lang」のメロディが初めて聞くのにどこかなつかしく、しみました。