百日草

こと原題「百日告別」。先日、TIFFにて鑑賞。多くの死傷者を出した交通事故で妻を失った男性と婚約者を失った女性、それぞれの苦しみや悲しみや孤独を少しずつ経過していく時間の中で描いた、鎮魂の映画。四十九日などの節目節目で山のお寺に通い、読経をし、また無味無臭な日常に戻って行く2人がほんの少し言葉を交わし、だからといって何かが変わるわけではないけれどそれは2人が生き続けていくことの確認でもあり。石頭(好演!)演じる男のほうの主人公が骨折したらしい腕を3カ月以上ずっと包帯で巻いて吊っているのは、もしかするとケガが治り悲しみもうすらいでいくことへの怖れのようなものだったのかもしれず。林書宇監督が奥さまを亡くされて作った映画ということだけにいっそう切ないものがありました。