ビッグ・シティ

劇場にて鑑賞。故サタジット・レイ監督のデビュー60周年記念特集「シーズン・オブ・レイ」上映作2本のうちの1本で、コルカタを舞台に夫の稼ぎだけでは生活が苦しいため一念発起して妻が働くことを決めたのを発端に三世代同居の家庭にいくつものきしみが生じていく物語。献身的な専業主婦だった妻の自我の目覚め、家庭や職場でのパワハラ未満・モラハラ未満の固定観念に左右される微妙な人間関係の、63年のインド映画とは思えないほど現代にも通じるリアリティが切なくも温かく、そしてもう1本の「チャルラータ」と同じヒロインのマドビ・ムカージーがすばらしくて最初から最後まで身惚れておりました。傑作。